板野酒造場という会社 |
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おいしさ再発見!組み合わせの秘密 |
お酒の楽しみ方は人それぞれだ。日本酒を飲みなれていない人におすすめなのは吟醸酒。フルーティーな白ワインのような味わいで飲みやすい。日本酒をよく飲む人は、食べ物と日本酒の組み合わせを意識してみると、より楽しみ方のバリエーションが広がるという。例えば豚しゃぶを食べるとき、まだ口にお肉の味が残っているうちに純米のぬる燗を飲むと、後味がスカッと切れるという。また、板野社長は個人的にチョコレートと日本酒のコンビもおすすめだという。合わせるものによってお酒は化けるのだ。「いろいろな組み合わせを試してみると面白いと思う。」と板野社長は話す。 |
広がるお酒のしあわせ |
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製造方法で変わる味 |
日本酒造りには、「玄米を磨き米の外側の余分な成分を落とす」「米を洗って水に浸す」「米を蒸す」「原材料の発酵に必要な麹(こうじ)を造る」といった様々な工程がある。おいしいお酒を作るコツはそれら一つひとつの工程を正確に行うことだ。少しでも気を抜くと完成品の味が変わってしまう。「精米(せいまい)」と呼ばれる、玄米の外側を削り余分な成分を取り除く工程もその一つだ。私たちが食べる白米は玄米の外側を5%削って作られているが、大吟醸用は米の外側を60%削り、米の中心部分のみを残して使うという。60%も削ると、発酵の際に酵母の栄養分になるアミノ酸などの成分が少ないため、酵母は栄養失調気味になる。栄養失調気味になった酵母はなんとか生き延びようとして強い香り成分を出す代謝を起こす。これが日本酒独特の香りが生まれる秘密だ。また、米の外側をどれだけ削るかが、お酒の味にも大きな影響を与える。たくさん削ると軽やかですっきりとした飲みやすいお酒に、あまり削らないと米本来の味わいのあるお酒に仕上がる。精米の次の米を水に浸す工程ではストップウォッチを使い、その年の米に合わせた最適な時間で吸水させる。たった数十秒の吸水時間の違いがお酒の味を左右するという。「思い描いた味を出すためには、決まったことを決まったようにすることが大切なんです。」と板野社長は言う。日本酒造りの工程は、一つひとつが職人の技術力を求められる完成品だ。心の緩みはすべてお酒の味に現れてしまう。おいしいお酒にどれだけこだわれるかは、自分との戦いだ。 |
酒造りのやりがい |
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これから日本酒の魅力を知る人へ |
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板野酒造場が目指すもの |
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インタビュアーから |
この度初めて酒造場にインタビューに伺いました。もともと抱いていた「日本酒造り=お堅い」イメージとは異なり、時代の流れに合わせ日本酒の楽しみ方もどんどん変化しているようです。変えてはいけないもの、変えていくべきものを見極めて、より多くの人々に日本酒の魅力を伝える。日本酒の可能性はまだまだ未知数だと感じました。 |