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株式会社智商運輸という会社
株式会社智商運輸は、岡山市東区に本社を構え、大型トラックを中心に一般貨物を岡山から全国に多品目輸送をすることを得意とする運輸会社だ。
運輸業の仕事と、智商運輸の強み
運輸は大きく分けて3つの分類に分けられる。飛行機を使った空運、船舶を使った海運、鉄道やトラックを使った陸運だ。それぞれメリット、デメリットがあるため、どの輸送方法が最も優秀というものではなく、運ぶ貨物の種類や、量、そして納期によって最適な輸送方法は変わる。

空運は、運べる貨物が200~300kgと比較的小さいにも関わらず輸送コストが大幅にかかるため、輸送時間が優先される長距離輸送に用いられることが多い。

海運は、一度に数百トンという大量の貨物を運ぶことができるため、時間はかかるがとても安価に運ぶことができ、輸出入の大半をこの海運が占める。

陸運の鉄道輸送は線路の敷かれているところであれば、とても安価にしかも時刻のズレがほとんど起こらないという特徴があるため用いられることが多いが、目的の駅に貨物が到着してから自動車輸送に切り替わるため時間のロスがあり、線路の引かれていない地域へ運ぶ場合、そして輸送時間を優先する場合には、目的地に直接届けることのできる自動車輸送が求められる。

智商運輸はBtoB(法人をお客様としたビジネス)の大型トラックによる輸送を得意としており、特に定期輸送という毎回決まったものを、決まったところへ届けることをメインの仕事としているという。

例えば、岡山にある工場で製造した一日分の部品を夕方に積み込んで、翌朝他県の工場に届けるということをしている。このような定期の仕事だと、日によって仕事が大きく変動するということがないため、経営が安定することになるのだそうだ。
運輸会社は取引先の運勢を左右する
今では荷物の宅配をお願いした翌日に届けられるということは驚くことではなくなってきている。しかし荷物を送ろうとすると2週間くらいかかるのが当たり前で、生ものを運ぶなんて信じられない、価格も今の2~3倍もしていた時代があった。

その頃、物流に重きを置いている人は少なく「荷物を届けるとしたらそのくらいはかかるもの」という認識だったが、今では物流に力を入れている企業が伸びているのだという。通販やテレビショッピングなどで、売ることにかけては長けているという会社でもコスト削減のため、物流に力を入れていない会社は伸び悩んでいる。例えばオフィス用品通販のアスクルは50円の消しゴム1個注文しても翌日に届けてくれる。都内では朝に注文を出せば当日届けるというサービスもしている。このような物流に力を入れている会社が伸びているのだという。

私達は真心こめて最高の
物流品質を提供いたします。
私達は高い志を持って、笑顔の創造により
組織の輝きと繁栄を目指します。

これは智商運輸が掲げている理念だが、この理念の他に「お客様の運勢を変える会社」という裏理念も持っている。

運勢とは「運ぶ勢い」と書く。智商運輸が取引先企業の運ぶ勢いを変え、対応力を高めることで、取引先企業の運ぶ勢いが変わり、物流に力を入れ伸びていく会社にしていけるという考え方だと河合社長は言う。

この考え方は、人に置き換えても同じだ。例えば、一つコピー取りをお願いしたときに、Aさんは「はい!」と元気よく返事をし、勢いよくコピーを取ってくるのに対し、Bさんは「それくらい自分でしたらいいじゃないですか・・・」と考えていそうな表情をし「はい。」と暗い返事をし、面倒くさそうに、のんびりコピーを取ってくる。AさんもBさんもコピーを取るという任された仕事を完遂したのに違いはないが、運勢が違う。運ぶ勢いがAさんの方が断然良いと仕事を任せた側は感じる。何か新しい社運を賭けたプロジェクトを立ち上げ、責任者を誰にしようと考えたとき、AさんとBさんを比べると、間違いなくAさんを選ぶ。Bさんからすると「Aさんの方が運がいいからチャンスが巡ってくる」と思ってしまうかもしれないが、その通り。運ぶ勢いがいい方に仕事は集まり、チャンスは広がっていくのだ。そしてAさんが運ぶ勢いよく仕事をしてくれたら、仕事を任せた側の仕事も早くなり、運勢があがる。

運輸会社が取引先企業の運ぶ勢いを変えることで、取引先企業の仕事は早くなり、その運輸会社を更に必要としてくれるようになるという好循環が生まれるのだ。
描いている会社の未来
河合社長が智商運輸という会社で実現したいのは“社員の笑顔”だそうだ。そのために会社の信頼、ブランドイメージを作っていく。そこから生まれた夢の一つが「社員に家を建てさせる」という夢だ。一般的に長距離トラックの運転手という業は銀行からの信用が低く、ローンの審査がなかなか通らないのだという。家を建てることが幸せかどうかは人によって違うかもしれないが、家を建てることができる信用を持てるようになることは社員の幸せになると考えた河合社長は会社のブランドイメージを高めるために、資本の積み増しをして有限会社から株式会社へ変更し、会社のPV(プロモーションビデオ)を作成しホームページにも力を入れた。会社の業績も拡大志向で伸ばしていったときほどの勢いではないが、着実に成長を続けている。会社のブランドイメージが少しずつついてきたからか、このインタビューの前日、一人の社員のローンの審査が通り、家が建てられるという連絡があった。

「社長と一緒に働けて嬉しかったです」と言ってくれることが夢だと言う河合社長の夢は少しずつ叶い始めている。
インタビュアーから
いつも荷物は何気なく受け取っていましたが、その便利さを実現していたのは、自分達の寝ている時間に荷物を運んでくれている運輸会社の仕事があったのだと知りました。見えないところで人の運勢を良くしていく智商運輸の仕事はかっこいいと思いました。